10/12  しらない街で

どんなところにも
それぞれのくらしがある

それぞれのみる世界
それぞれの思い
感じるにおいや はだざわり

しらない街
となりにいるのは
 しらないだれか

ここは商店街のはずれの
ちいさな店

木の匂いのする
狭い階段を上った先にある

珈琲の香りと 器の擦れる音
ささやくような
幾つかの会話

こんなところにも
しらない時間を生きている
それぞれが 集まっている

uryo